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2013年9月2日月曜日

助動詞 (1) 助動詞の働きと役割(なぜ助動詞が使われるのか?)





☆なぜ助動詞があるのか?

2つの例文を見てみよう

① He runs very fast.
② He can run very fast.

違いは、助動詞「can」を使っているかどうかであるが、大事なのは「can」があることによって、どのような違いが生まれるのかである。


① He runs very fast.
この文は「彼は走りがとても早い」という意味であるが、重要なのは、彼が早いという事実である。つまり、話し手が実際に彼の走る姿を見たことがあり、事実として足が早いという意味になる。



それに対して

② He can run very fast.
助動詞「can」を用いることによって、彼の持つ「能力」の話になる。つまり、話し手は「彼はとても早く走ることができる(能力がある)。」と話しているのである。

この場合、①の文との違いは、実際に「走く走ろうと思えば、とても早く走ることができる」という彼の能力についての話であって、「実際に走るかどうか」ということは問題ではない。

つまり、助動詞を使うことによって、現実や事実そのものではなく、話し手の頭の中で「できる、ありえる、そうしなくてはならない」などと考えていることを表すことができる。



☆助動詞が持つイメージ

代表的な4つの助動詞のイメージをまとめた。

can
基本のイメージは「可能性」
〜することが可能である、〜が起こる可能性がある

may
基本のイメージは「容認」
〜であっても別にかまわない、〜であってもおかしくない

must
基本イメージは「必然性」
必ず〜に決まっている、〜でなくてはおかしい

should
基本のイメージは「正当性」
本来〜であるのが正しい、〜であって当然だ


☆助動詞の使い分け

助動詞には、それぞれ基本的なイメージがあり、そこから様々な意味が生まれる。助動詞をうまく使いこなすためには、助動詞のイメージから生まれる意味を考えながら覚えるのが近道である。また、助動詞は日本語に訳すと似た意味になることがあるが、その場合は、助動詞が持つ意味を考えれば、その状況や事柄をうまく使いこなせるようになる。


例えば
「彼はもう家に帰ったよ。」(事実)
He have been home by now.

同じ”彼が家に帰ったよ”という場合でも、話し手によっては、色々な考えであったり、シチュエーションに応じて事実に対して様々なイメージを持つ。それを表現するのが、助動詞である。

例えば、
「(事実の裏付けはないが)家に帰ったのは間違いない」
He must be home by now.

「(本当はそのはずなんだけど、)彼は家に帰ったはずだ」
He should be home by now.

「(たぶん)彼は家に帰ったと思う」
He may be home by now.


このように、訳語は似ているが、全く異なる話し手のイメージをうまく伝えるのが助動詞の働きである。つまり、助動詞を理解するためには、場面や意味に応じた使い分けを確認しながら理解していくのが近道といえる。

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